はじめに:手計算の限界が「退場」を招く
FXの世界に身を置いてからある程度の年月が経ちましたが、私が法人化を経て確信したことが一つあります。
それは、「人間は、自分に都合のいい計算しかしない生き物だ」ということです。
含み損が増えてきたとき、あるいは大きなチャンスを目の前にしたとき、私たちの脳は無意識にリスクを過小評価しようとします。
私は、この「人間の曖昧さ」こそがFXにおける最大の敵であると考え、ITスキルを活かした計算の自動化、すなわち「シミュレーターの開発」に心血を注いできました。
1. 「ヒヤリ」とした実体験が開発の原点
かつて個人トレーダーとして活動していた頃、私も電卓やエクセルを叩いて資金管理をしていました。
しかし、相場が急変したパニックの中で、計算式の入力ミスや、桁を一つ間違えて算出した「安全圏」を信じ込み、ヒヤリとした経験があります。
「たった一つの計算ミスが、法人の存続を揺るがすかもしれない」
この恐怖心が、開発の原動力となりました。法人口座では、個人のとき以上に厳格な資金管理が求められます。
感情や体調に左右されず、常に100%正確な「最悪のシナリオ」を弾き出すためには、システムによる自動化が不可欠だったのです。
2. 開発で最もこだわった「ロジック」の正体
私が開発した「FXHSS」において、最も重視したのは「いくら儲かるか」ではありません。「あと何ピップス耐えられるか」という、負けの限界値の可視化です。
- 証拠金維持率のリアルタイム把握: スワップポイントやスプレッドの変動、レバレッジの規制変更など、複雑な変数を網羅し、瞬時に口座の「体力」を数値化すること。
- 最大ドローダウンのシミュレーション: 過去の歴史的な暴落(フラッシュクラッシュ等)が今起きたら、自分のポジションはどうなるのか。その答えを1秒で出せるようにしました。
「利益」は相場が決めるものですが、「リスク」は自分自身でコントロールできる唯一の要素です。
そのコントロールの精度を極限まで高めることが、私の開発の目的です。
3. 感情を排除するための「鏡」としてのツール
FXで勝つために必要なのは、優れた手法以上に「規律」を守ることです。しかし、人間は弱いものです。
自作のシミュレーターは、私にとっての「鏡」のような存在です。
チャートを見て「まだ大丈夫だろう」という根拠のない自信が湧いたとき、ツールが弾き出した冷徹な数字を見る。
すると、「あ、今の自分の判断は感情に流されていたな」と客観的に自分を修正できます。
シミュレーションを自動化することは、単なる効率化ではなく、「トレードから感情というノイズを排除するプロセス」そのものなのです。
結び:技術を分かち合う、法人としての歩み
私がこのブログで自作ツールを公開し、開発の裏側を語っているのは、一人でも多くの読者の方に「数字に基づいた安全な運用」を体験してほしいと願っているからです。
FX法人として、私はこれからも計算の精度を高め、より強固なインフラを構築していきます。
それは、自分自身の資産を守るためであると同時に、このブログを訪れてくれる皆様に、より信頼性の高い、地に足のついた情報をお届けするためでもあります。
計算できない命の尊さを知っているからこそ、計算できるリスクは、1ミリの誤差もなく管理していきたい。 これからも「IT×FX」の力で、誠実な情報発信を続けていきます。
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