取引記録の壁と税理士の重要性
法人を運営していると、避けられないのが年に一度の決算です。
個人の確定申告とは異なり、法人決算は書類の量も多く、専門的な知識が求められます。
特にFX(外国為替証拠金取引)を本業とする法人は、その取引の性質上、独特な会計処理が必要になります。
1. 大変だったこと:予想外の事務作業と専門性の壁
仕訳の数が想像以上
FXのトレードは、一回の取引で「約定」と「決済」が発生し、さらに「スワップポイント」や「手数料」なども絡んできます。
この売買履歴を全て仕訳に落とす作業が、想像以上の重労働でした。
特にデイトレードやスキャルピングなど、取引が多い人ほど仕訳の数は膨大になります。
日々の取引を記録していないと、決算期になってから何千行ものExcelデータと格闘することになり、文字通り一苦労でした。
この大量のデータ処理こそ、FX法人の決算における最大の壁と言えるでしょう。
申告書の難解さ
個人事業主の確定申告書と比べ、法人の申告書は種類と複雑さが桁違いです。
法人税、地方法人税、法人事業税、そして法人住民税(均等割と所得割)と、複数の書類を体系的に作成し、提出しなければなりません。
それぞれの税率や計算基準が異なるため、専門知識なしに正確に作成するのは至難の業です。
もし誤りがあれば、後々の税務調査で追徴課税のリスクも生じます。
2. 解決策:クラウド会計とプロの力を借りる
顧問税理士とクラウド会計ソフトの連携
私はこの難解な作業から解放されるため、最終的に顧問税理士を依頼しました。
同時に、クラウド会計ソフトを導入し、銀行口座と連携させることで、仕訳作業を大幅に効率化しました。
もちろん費用はかかりますが、専門家にお願いすることで、正確性の担保と本業(トレード)に集中できる時間を確保できたメリットは計り知れません。
特にFX法人の場合、期末の評価損益の取り扱いなど、特殊な会計処理についても、税理士から的確なアドバイスを受けられるのは大きな安心材料です。
3. まとめ:赤字決算でも税理士と繋がることの価値
「税理士に依頼するか」「自分で頑張るか」の判断は、主に取引量と事業規模(利益)に大きく左右されます。
利益が小さく取引も少ないうちは、自分で記帳を行い、申告書作成サービスを利用するのも一つの手でしょう。
しかし、利益が大きくなり、複雑な節税対策や資産管理が必要になったら、迷わず専門家に頼むのが現実的です。
私の実体験として、初年度が赤字決算だったにもかかわらず、税理士さんと繋がっていたことで、繰越欠損金の処理や設立費用などの償却も含め、間違いのない決算を迎えることができました。
特に設立当初は、税務上の手続きミスが起きやすい時期です。
そのため、最初の設立当初から顧問契約を依頼し、最初から正しい土台を築いておくことは、将来的な安心を買うという意味でも非常に有効な選択だと断言できます。👍
