私は数年間、個人トレーダーとしてFX取引を続けてきましたが、ある時点で「節税」や「資金管理の効率化」を目的に法人化を決断しました。この記事では、私自身が合同会社を設立した際の流れを振り返りながら、法人化に必要なステップを分かりやすく解説していきます。
- 法人化を検討した理由
個人のままでもFXはできますが、利益が大きくなってくると税率が高くなり、負担感が増してきます。法人化にはいくつかのメリットがありました。
・法人税率が一定で、個人よりも節税になる場合がある
・経費計上の範囲が広がる
・社会的な信用が高まる(銀行口座や契約面で有利)
もちろん「赤字でも住民税の均等割を払わなければならない」などデメリットもあるので、全員におすすめというわけではありません。私の場合は利益規模と将来のビジョンを考えて決断しました。
- 法人設立の流れ
(1) 会社形態の選択
FX専業であれば、合同会社(LLC)がコスト面で有利です。株式会社も選べますが、設立費用が高くなります。
・合同会社 … 登録免許税 6万円~
・株式会社 … 登録免許税 15万円+定款認証 5万円前後
私は最小限のコストで始めたかったため、合同会社を選びました。
(2) 定款の作成
定款には「会社の基本情報」を記載します。
・商号(会社名)
・事業内容(例:金融商品取引に関する研究、システム開発など)
・本店所在地
・出資額
・代表社員の氏名
私は電子定款を利用したので、印紙代4万円を節約できました。
(3) 登記申請
定款を作成したら、法務局に登記を申請します。必要書類は以下のとおりです。
・設立登記申請書
・定款
・出資金の払込証明書
・代表社員の就任承諾書
・印鑑届出書
法務局の窓口は混雑していることが多いので、事前に予約して持ち込みました。提出から登記完了まで約1週間程度でした。
(4) 税務署・自治体への届出
登記が完了したら、税務署と自治体に必要書類を提出します。
・法人設立届出書
・青色申告の承認申請書
・給与支払事務所等の開設届出書
これを忘れると青色申告の特典を受けられなくなるので要注意です。私は提出を税理士にサポートしてもらいました。
(5) 法人印鑑と銀行口座
法人印鑑は実印・銀行印・角印の3点セットを作成しました。費用は1万円前後。
銀行口座の開設は審査があり、事業内容をきちんと説明する必要があります。私はFXだけでなく「システム開発」など副次的な事業内容も書くことで、スムーズに通過しました。
- 実際にかかった費用
私の場合(合同会社・自分で手続きしたケース):
・登録免許税 … 60,000円
・定款認証(電子) … 0円
・法人印鑑 … 約10,000円
・諸経費(交通費やコピー代など) … 数千円
合計:約7万円程度で設立できました。
もし司法書士や代行業者に依頼すると+5万〜10万円ほどかかります。
- 法人化して感じたこと
書類の手間はあるが、やってみると意外とシンプル
・法人名義の口座やカードが作れることで、取引や会計が整理しやすくなった
・設立後は「決算業務」「経費の管理」といった運営コストがかかる
特にFXの場合、取引履歴の仕訳が膨大になるので、早めに会計ソフトや税理士を頼った方が安心です。
まとめ
FX法人を設立するには、
・会社形態を選ぶ
・定款を作る
・法務局に登記
・税務署・自治体に届出
・印鑑・口座を準備
という流れを踏めば問題なく進められます。初めてだと不安もありますが、費用や手間は意外と現実的です。
「法人化することで何を得たいか」を明確にしたうえで動けば、設立は大きなハードルではありません。これから法人化を検討している方の参考になれば嬉しいです。